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3.18「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」原発関連メッセージ

3.18「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」

第2部「原発・憲法・TPP・基地・格差問題を考える」

におきまして、原発に関して、小出裕章氏と小張佐恵子氏よりメッセージをいただき、司会者代読により紹介させていただきました。

小針氏のメッセージについては一部を紹介させていただきました。

小出氏、ならびに小張氏のメッセージ全文を掲載させていただきます。

 

小出裕章氏(元京大原子炉実験所助教)

私は人生の大半を原子力の場で生きてきました。

当初は原子力平和利用に夢を抱き、原子力発電を推進したいと思いました。

しかし、ごく初期に原子力だけは許してはならないと思うようになりました。

なぜ、私がそうなったかといえば、もちろん原子力が抱える破滅的な危険性がありましたし、それはすでに福島第一原子力発電所事故で事実として示されました。

しかし、私が何故、原子力に抵抗しようと思ったかといえば、それは原子力が抱える技術的な問題のためではありません。

それは原子力が徹頭徹尾差別的であるが故で、「オールジャパン、平和と共生」が掲げている原発、憲法、TPP、基地、格差の各問題に通底していることです。

この場に参加してくださっている皆さんにたいしてメッセージをお送りする立場に私があるとは思いません。

でも、次の国政選挙はとても大切だと私は思います。

昨年7月18日に、私は「アベ政治を許さない」のポスターを掲げて、今私が住んでいる街・松本の駅前に立ちました。

11月3日以降は毎月3日に立っています。

次の選挙では何としても安倍自民党を退陣の方向に行かせたいと願います。

そのためには、ただ一点それだけのために連帯する必要があると思います。

この集会にご参加くださっている皆さんがそれぞれの個性を生かして活動してくださることを願います。

 

小張佐恵子氏(福島応援プロジェクト茨城事務局長)

国策で進めてきた福島の核発電所が起こした事故によって、数十万人が故郷を追われ、命を脅かされることになりました。

しかし五年たった今、誰一人その責任をとっていません。電力会社も政府も自らの責任を覆い隠すために、事故の原因や実態を隠し、汚染を過小評価して発表ました。

原発は1部の人々に巨額の利益をもたらします。欲に目の眩んだ人々が引き起こす戦争という暴力のために考え出された悪魔のシステムが「原爆の子=原発」です。

もともと原爆の材料を作り出すために作られたものが原子炉で、とてつもなく非人道的な核兵器の脅威を隠すために、「原子力の平和利用」というまやかしの呪文が、人々の核への恐怖と警戒心を眠らせてきました。 日本人は今こそ目覚める時です

原発はウランを単にゆっくりと核分裂させているだけで、原爆と同じものだという事は、現在多くの人に知られるようになりました。

原発が地震に対して非常に弱く脆い事と、被ばくが生命に与える危険性はなんとしても隠し徹さなければならない核武装を目論む国家の最高機密なのです。

欧州の千倍といわれる地震多発地帯にある日本の国土に、原発は在ってはならないものです。

原発の核心問題は被ばくです。放射能が生命に与える危険性は70年前の原爆投下以来徹底的に隠され無視されてきました。放射性物質は毒そのものです。

事故が起きなくとも放射性物が排出されていて、周囲のあらゆる生命に打撃を与え続けます。

これまで世界中で多くの独立機関による調査と統計が、原発の周りの住民に重症の発症率が数割高くなっていることを示してきました【注1】。

たとえ低線量被ばくであっても(あるいは低線量被ばくである方が)危険であることが数々の研究で指摘されています【注2】【注3】。

放射能の危険性が問題無いとするならば、事故が起きようとも、どんなに核のゴミ放射性廃棄物が世に溢れようとも何ら脅威になりません。

被曝によって引き起こされる結果は、ガンだけではありません。心筋梗塞や脳血管障害、白内障・糖尿病・うつ病まで、まるで病気のデパートです。

放射能の影響があらゆる病気を引き起こすことを、原爆被爆者の粘り強い交渉によって、政府は既に認めさせられ、被ばく者援護法【注4】で原爆病として認めているのです。

2016年3月、大津地方裁判所は高浜原発3号機と4号機について運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。

判決文は「人格権が最高の価値を持つ」ことを基礎としている格調高いものであり、私たち国民の側に立った判決内容であることに深い感謝の念を覚えます。

「福島の原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点があるのに、関西電力は十分に説明していない」

「予知も不可能な1260ガルを超える地震に耐えられるシステムは存在しない」

「人格権が侵害される恐れが高いことについて立証責任は債権者(被告)が負うもの」としている点が画期的です。

東海第二原発再稼働差し止め訴訟の原告でもある私は、この判決が良い連鎖を生んでくれることを願ってやみません。

地震の影響を受けた上、もうすぐ設置から40年を迎える東海原発ですが、電力会社はさらに20年の稼働延長を目論んでいます。

もし原発が車だと仮定すると、事故車に等しい40年前の車で公道を走りまわる事が認められるでしょうか?

そもそも原発が安全で危険のないものなら、膨大な費用を要し、かつロスの大きい送電線によって遠く電気を運ぶこともなく、消費地の中に設置することが出来ます。

交付金を餌に原発を押しつけてきた政府。過疎地の人間に押し付けられたリスクは構わないとしてきた、電力消費都市住民の無関心は冷酷です。

ましてや本当の原発のコストは、他の発電方法に比べて決して安くもなく、事故や廃棄物の処理費用等を加えれば比類なく高価です。

原発こそ日本経済を疲弊させる元凶のように思えます。

福島で起きている子供の甲状腺がんの多発は事故前の50倍を超えるものになっているのに、政府は「被ばくの影響とは考えにくい」と否定するのに躍起になっています。

もし被ばくの影響を認めれば、補償が莫大なものになり、疎開や避難も政府の責任でしなければならない上に、原発を止めなければならないので、絶対に認めたくないのだろうと私は思います。

放射線による子供の甲状腺がんは潜伏期間が短く、転移が早いことがわかっており【注5】、福島ではすでに再発のために数度の手術を受けている子もいて、 悪性度の高い症例が多いという実態があるのです。

子どもの未来を奪う社会、自分さえよければ犠牲になる人がどれだけいても構わないという社会は、いずれ衰退するしかないのではないでしょうか。

誰もが幸せになれる世界を、核のない世界を目指して、残された人生の時間を使っていきたいと思います。

小張 佐恵子(おばり さえこ)

63歳。茨城県土浦市在住。彫刻家。福島応援プロジェクト茨城事務局長。脱原発ネットワーク茨城運営委員。茨城の選挙を考える市民の会代表。

【注1】統計学者ジェイ・マーティン.グールドの調査著作「低線量内部被曝の脅威」(原題『The Enemy Within』)。

1950年から84年にわたって調査し、アメリカの原発の160キロ圏内で、乳癌の増加がみられることを確認した。

【注2】ペトカウ効果。カナダのペトカウの実験によって長時間にわたる低線量被曝が、放射線の電離作用によって活性酸素を発生させ、細胞膜をとかして細胞を壊してしまうことが突き止められた。

【注3】バイスタンダー(傍観者の意味)効果。細胞間のシグナル伝達が重要な役割を果たして、非照射細胞に伝わる放射線影響は、DNA損傷、染色体異常、細胞分裂・増殖阻害、アポトーシス(細胞の自殺)、突然変異の誘発など、多種にわたって観察されることが1992年アメリカで報告された。

【注4】原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律施行規則第51条に定める障害を伴う疾病

1 造血機能障害 貧血症、白血球減少症、出血性素因、紫斑病、血小板減少症など

2 肝臓機能障害 肝硬変、慢性肝炎(アルコ-ル性を除く)など

3 細胞増殖機能障害 悪性新生物、骨髄性白血病など

4 内分泌腺機能障害 糖尿病、甲状腺機能異常、卵巣機能異常、など

5 脳血管障害 くも膜下出血、脳出血、脳血栓症、脳塞栓症など

6 循環器機能障害 高血圧性心疾患、慢性虚血性心疾患など

7 腎臓機能障害 慢性腎炎、ネフロ-ゼ症候群

8 水晶体混濁による視機能障害 白内障(先天性、糖尿病性を除く)

9 呼吸器機能障害 肺気腫、その他の慢性間質性肺炎

10 運動器機能障害  変形性関節症、変形性脊椎症、骨粗鬆症など

【注5】米国CDC(疾病管理予防センター)の発表。

ガンの潜伏期間に関するレポート『Minimum Latency Types or Categories of Cancer』(改訂:13年5月1日)

これに掲載されているガンごとの潜伏期間を短い順に示すと、

【白血病、悪性リンパ腫】0.4年(146日)

【小児ガン(小児甲状腺ガンを含む)】1年

【大人の甲状腺ガン】2.5年

【肺ガンを含むすべての固形ガン】4年

となり、放射線によるリスクは、それ以外のリスクに比べて一段と大きく強烈であることが判る。

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