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11.15「いま消費税を問う!」緊急院内集会が開催されました

11月15日(金)午後5時から7時半まで衆議院第二議員会館多目的会議室において
「いま消費税を問う!-専門家・国会議員・市民による緊急院内集会-」
が開催されました。
会場を満席に埋め尽くす市民のみなさまとご登壇くださった諸先生、国会議員、政治家の
みなさまのお力で意義深い集会を開催できましたことに対し、ご来場くださったみなさま、
集会開催に際してご尽力、ご協力くださったみなさま、本サイトご高覧のみなさまに
深く感謝申し上げます。

sarasoujunohanaさまが動画映像を公開くださいました。
記して感謝の意を表します。。

前編

原中勝征氏開会あいさつ
湖東京至氏講演
篠原孝衆議院議員
嘉田由紀子参議院議員
小宮山泰子衆議院議員
笠井あきら衆議院議員
福島伸享前衆議院議員
渡辺てる子前参議院議員候補
山本太郎れいわ新選組代表メッセージ代読
(代読は高橋清隆運営委員)

後編

荒川俊之氏講演
質疑応答
消費税廃止国民運動提言(斎藤まさし運営委員)
まとめ(植草一秀運営委員)
閉会あいさつ(山田正彦運営委員・顧問)
司会は安田節子(運営委員・顧問)、佐久間敬子(運営委員・顧問)が担当した。

各発言者の発言内容を以下に紹介させていただきます。
冒頭、オールジャパン平和と共生(=政策連合)最高顧問の原中勝征元日本医師会会長が
開会挨拶をされた。
原中氏は、オールジャパン平和と共生が、平和な社会、共生の社会を創り出すために
活動していることを紹介した。
その上で、原中氏が福島県の生まれで現在は茨城県に居住されていること、東海村の
原発事故、東電福島原発の放射能事故を経験されていることに言及した。
原発事故の被災者に対して十分なケアもなされていないのに、事故を起こした東京電力
に対しては何らの刑事責任も問わない。東京電力は法的整理もされず存続し続けている。
このような対応はおかしいと指摘された。
消費税が社会保障支出に充当されてきていない。消費税は法人税減税に充てられてきた。
この消費税のあり方について、専門家の解説をいただき、皆で検討する集会にして
いただきたいと述べた。

続いて、専門家講演として、税理士で「不公平な税制をただす会」で活動されている
元大学教授の湖東京至氏が講演された。
湖東氏は1949-50年のシャウプ勧告に付加価値税の提案があったこと、しかし、
先人が強く反対して実現には至らなかったことを指摘。これが日本でなく、欧州で
実現した経緯を示された。
消費税は消費者が支払った税を事業者が貯めて税務署に支払うものではなく、事業者の
売上と仕入れに税率を乗じた金額の差額を事業者が納付する税であると指摘した。
したがって、消費税は間接税ではなく事業者が支払う直接税であるとした。
消費税の最大のポイントは輸出を行う製造業が税金の還付を受ける点にあることを指摘した。
輸出製造業事業者は輸出にゼロ税率を乗じた金額から仕入れに税率を乗じた金額を
差し引いた額を還付される。税率が上昇すればするほど、輸出製造業事業者の還付金額が
大きくなる。つまり、消費税は輸出製造業企業に国庫が資金を提供することに最大の狙いが
あるとした。
湖東氏は、消費税は極めて悪質な陰謀によって生み出されたものというべきで、
消費税を廃止する必要があるとした。

続いて、出席した現職、前職の国会議員、政党関係者から発言をいただいた。

国民民主党の篠原孝衆議院議員は、民主党時代に三つの大きなテーマがあったことに触れた。
原発、TPP、消費税である。篠原氏はTPPに明確に反対、原発にも明確に反対
との立場を示した。
消費税について議論があった際、篠原氏は野田佳彦首相に質問したという。
「将来世代にツケを残さないというなら、原発こそまさにその対象なのではないか。
将来世代にツケを残さないためにも大飯原発の稼働は求められないとするなら、
消費税に賛成してもよい」と述べたが、野田氏からは返答がなかったという。
その後、オールジャパン植草の著書を読んで消費税には問題があると考えるようになったという。
今日、集会に来られている福島伸享氏が山本太郎氏、馬淵澄夫氏などが立ち上げた
「消費税減税研究会」にも参加されており、篠原氏も出ていることを紹介。
会合に出るなとのお触れが出た政党もあると聞いているが、政治は自己責任で行うもの、
共に力を合わせてゆこうと述べた。

碧水会の嘉田由紀子参議院議員は、消費税についてはまだ勉強の途上であり、
明確なことを申し上げられないが、税の使い方については一言申し上げたい
として以下の発言を示された。
滋賀県知事を2期務めたが、税金の無駄使いを許さない立場から、脱ダムと
新幹線新駅建設反対の政策を実現してきた。治水については「ダムに頼らない流域作り」
を追求してきた。今回の台風19号による水害で、この議論がどのように展開するかが
気になる。千曲川氾濫の被害が広がったが、ハザードマップの徹底活用、堤防強化で
対応できる部分が大きかったのではないかとの見解を示した。
参院の任期が6年あるので、必ず政権を刷新して税金の無駄使い対策をして行きたい
との決意を述べた。

国民民主党の小宮山泰子議員は、民主党時代に消費税増税に反対して除名処分を受けた
ことに言及した。その上で、消費税に公平性があるのかとの疑問を提示した。
複数税率が導入されたが、消費税はそれ以前の物品税を統合した面もあり、
個別品目毎に業界が陳情を繰り返し、複雑な制度が構築されてきた面が
あるのではないかと指摘。複数税率は政治と行政の癒着の構造に戻すもの
ではないかと指摘した。
さらに、米国べったりの安倍首相なら、なぜ、国税として消費税を持たない米国の制度、
情報公開に厳格な米国の制度を参考にしないのかと苦言を呈した。税は民主主義の根幹に
かかわる重要な問題であり、皆さんと力を合わせて対応してゆきたいとの考えを述べた。

日本共産党の笠井あきら衆議院議員は、まず、安倍内閣の「桜を見る会」の問題に触れた。
連日、「桜を見る会」の疑惑が拡大しており、野党は結束してこの問題を追及してゆく
ことにした。本当にこんな政治は変えなければならないと強調した。
内閣改造後に閣僚が相次いで辞任に追い込まれたが、これらの事案が表面化するなかで、
安倍首相は「内閣にある者であってもなくても、与党でも野党でも、疑惑を持たれた者が
しっかりと説明責任を果たすことが重要だ」と述べてきた。
安倍首相にはしっかりと説明責任を果たしてもらわねばならないと強調した。
消費税については市民から手紙をいただいたことを紹介した。消費税が増税されて日々の
生活は苦しくなるばかり。国民がこれほど苦しんでいるときに武器、弾薬、兵器には
膨大なお金を注ぎ込む。この対応はおかしいとの意見をもらった。
消費税増税に併せてキャッシュレス化が推進されているが、中小零細企業で対応できている
事業者は極めて少ない。消費税が導入されてから日本経済が成長を失ってきたのも事実だ。
やはり消費税は廃止するしかないとの判断を一段と強めている。
消費税の税収は法人税減税や超富裕層の減税に充当されてきたという事実がある。
第2次安倍内閣が発足してから消費税が5%から8%へ、さらに10%へと引き上げ
られてきた。これをまずは5%に戻すということから始めることも検討に値する。
選挙に際しては安倍内閣を退場させて新しい政権を作らなければならないが、
その連合政権を樹立することについてもしっかりと野党の話し合いを進めてゆきたい。
みなで力を合わせてゆこうとの決意表明があった。

前衆議院議員の福島伸享氏は茨城県水戸市を地盤とされている。
福島氏は「水戸といえばテロ」であり、いまの現状を見ると、思わず強い思いが
こみ上げてくると述べた。
街頭で活動をしていると、いまの安倍政治に対する主権者の怒りがひしひしと
伝わってくる。安倍夫妻の姿が画面に登場すると食欲がなくなるとする市民も
多いと指摘した。
しかし、野党にも吐き気がするという市民も多い。
最新の世論調査結果を見ると安倍内閣の支持率が上昇し、不支持率が下落している。
政党支持率も自民党は高く、立憲民主党は3.1%にまで凋落してしまっている。
国民民主党に至っては0.2%にまで低下している。このまま選挙に突入すれば、
また野党は負けるだろう。この現実を直視しなければならないと強調した。
かつての民主党が間違ったことをはっきりとさせることが先決だ。その上で、
新しい政治の流れを創り出さないといけない。
そのために、主権者も動き、声を出し、行動することが重要だ。
しっかりと対応してゆきたいと述べた。

れいわ新選組の渡辺てる子氏は、7月の参院選で立候補して落選したが、
れいわ新選組は2名の当選者を生み出した。
消費税が増税され、テレビは駆け込み消費を伝えるが、庶民自身は、
駆け込み消費をするお金も手元にはないのが現状だ。
自分自身は17年間派遣労働で正社員と同じ仕事をしてきたが、突然雇い止めに遭い、
退職金もなく、交通費もなく、ワーキングプアの生活を強いられてきた。
ニュースは冬のボーナスが90万円などと伝えるが、非正規労働者には
ボーナスなど無縁だ。「ボーナスと いう名のナスの 味知らず」が現状なのだ。
れいわ新選組は消費税廃止を訴え、選挙では、まず、税率を5%に引き下げる
ことでの共闘を呼びかけている。しかし、これに正面から答えてくれているのは
共産党と一丸の会の方々だけで、立憲民主や国民民主の姿勢が不透明である。
立憲民主や国民民主の人々は、本当に日本の政治を刷新しようと思っているのか。
疑問を持たざるを得ない。
消費税の問題に右も左もない。右も左もないということは、みなが一緒になれる
ということだ。みなで力を合わせてがんばってゆこうと訴えた。

集会第1部の最後に、れいわ新選組の山本太郎代表からのメッセージが代読された。
以下に山本代表からのメッセージを掲載させていただく。
「この夏の選挙、草の根の力によって国政政党になりました、「れいわ新選組」代表
山本太郎です。代表である山本太郎は落選、史上最強の無職となりましたが、
れいわ新選組で、憲政史上初、重度障害をもつ2人の議員が誕生。
将来、医療費の増大を言い訳に、財源を理由に、人間の命の期限まで決めてしまいそうな、
現在の政治に歯止めを掛けるべく活躍してくれるであろう期待の大型新人議員です。
消費税増税後の今月7日、参議院 文教委員会において、難病ALSのふなご靖彦議員が質疑。
「消費税は全員が幸せになりません」と渾身の文字盤を使って訴えましたが、
「幸せにつなげる使い方をしっかりしていくことが我々の仕事だと思いますので、
増税に御理解をいただきたい」と素っ気ない答弁をしたのが、かつては消費税増税の
三度目の延期論を唱えて、「増税によって、崖に向かってみんなを連れていくわけにはいかない」
と、大見得を切ったはずの、ミスターバーベキューこと、萩生田文部科学大臣です。
身の丈を考えず、その場凌ぎの発言を続ける人間が大臣になるなどもってのほか。
と言いたいところですが、野党時代にはTPP反対といいながら、政権を取ったら賛成に
手のひら返しするような集団ですので、これが現在の自民党クオリティ、ということです。
政権交代する以外に、この国を救う選択肢はない、と私は考えます。
ただ、野党が塊になって勝てると私は思いません。だって、それ、民主党の復活でしょ?
そうではない、生まれ変わったんだ!ということを示すためにも、次の選挙は、
消費税は5%に減税という旗を立てて、野党が一丸となって、政権交代に向けて
力を合わせようではありませんか。
これが無理なら、私たちは単独で選挙に挑むしかありません。旧体制に戦いを挑む、
新勢力として、躊躇することなく、与党にも野党にも対立候補を立てることになります。
そんな地獄を実現するよりも、野党がまとまって、消費税5%を実現して、
人々の生活を、中小・零細企業を救う経済政策を実現させましょう!」

第2部では「不公平な税制をただす会」事務局長で税理士の荒川俊之氏から
消費税廃止の財源問題についての講演が行われた。

荒川氏は消費税が導入された1989年度から2018年度までの30年間の税収推移を示した。
消費税収入の累計が372兆円であるのに対して、法人三税の減収が291兆円、
所得税・住民税の減収が270兆円である。消費税による税収累計額よりも
法人税と所得税の減収累計額の方がはるかに大きい。
消費税増税は財政再建にも社会保障制度維持のためにもまったく使われてこなかった。
ただひたすら、法人税減税と所得税減税のために使われてきたのである。
財務省と政府は財政再建のため、社会保障制度維持のために消費税増税が必要不可欠
であると強調し、多くの国民がこの情報操作によって洗脳されてしまっているが、
事実はまったく違う。
第1部で湖東京至氏が消費税の核心が輸出製造業大企業に対する消費税の還付にあること
を明らかにしたが、平成の時代に導入され、拡大されてきた消費税は庶民から
血税をむしり取り、その血税を大企業と超富裕層に配分するという、
恐るべき実態を伴ったものだったのである。
荒川氏は所得再分配の機能を通じて国民の生活が安定することの重要性を指摘した。
富の偏在、所得格差を放置すると社会が不安定になる。消費税増税と並行して
推進されてきたのが、法人税と所得税の減税。最大の犠牲者が所得の少ない労働者である。
法人税、所得税課税を適正化するだけで消費税を廃止できる。消費税は廃止するべきである。

荒川氏の講演の後、第一部で講演された湖東京至氏と荒川俊之氏が登壇し、フロアからの質問に
答えた。フロアからも多くの質問が寄せられた。

質疑応答の後、オールジャパン平和と共生=政策連合運営委員の斎藤まさしより、
消費税廃止を国民運動として展開することの重要性が提唱された。

同じく運営委員の植草一秀より、消費税の問題点が指摘され、消費税廃止、最低賃金全国一律
1500円の政府補償での実現、原発稼働ゼロを軸とする「政策連合」構築が提唱された。
オールジャパン平和と共生は「政策基軸」「超党派」「主権者主導」を掲げており、今後、
この活動を「政策連合」と命名して展開してゆくことが報告された。

最後に運営委員・顧問の山田正彦元農水相から、みなで力を合わせて運動を拡大してゆくことに
ついての決意表明があり、集会は盛況理に幕を閉じた。

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