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3.242016
3.18「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」登壇者発言要旨-第2部①
3.18「安倍政治を許さない!参院選総決起集会」での登壇者の発言要旨の第2回は、
第2部「原発・憲法・TPP・基地・格差問題を考える」の前半部分です。
棄権者糾合し、大きなうねりに[基調講演]
第2部は、オールジャパン最高顧問の鳩山友紀夫元首相の基調講話と加藤好一生活クラブ生協連合会長のあいさつの後、わが国が直面する政策課題について専門家や文化人などが解説した。
鳩山氏は、2014年の衆院選で1700万人の棄権があったことを取り上げ、「これは自民党に投票した数と同じ」と指摘。「どの党に入れたらよいか、定まらなかったから」と自身の責任を省みながら、「野党5党の協力はすばらしいこと。政治関心のない方に『そうじゃない、倒せるから』と伝えていただき、大きなうねりを起こそうではないか」と呼び掛けた。
鳩山氏は政治が抱える諸問題にも言及。
とりわけ格差拡大について、
「米国では上位1%が99%を生み出している。
そのような国を模した経済政策はやめさせるべき」
と主張。
憲法改正について
「国民の権利を強めるための改正ならいいが、国の権限を強める改正は絶対に許すわけにはいかない」
と指摘した。
関連死者の思い踏みにじる再稼働[原発]
原発問題については、作家の落合恵子氏が講話し、元京大助教の小出裕章氏と「福島応援プロジェクト茨城」事務局長の小張佐恵子氏のメッセージが紹介された。
落合氏は、原発事故後の福島で触れ合った人々とのやり取りを紹介。
「娘夫婦の家などを転々とした90代の女性が『年寄りは足手まといになるだけ。私はお墓に避難します。お元気で』と遺書を残した。
安倍さんは自らの命を絶った人、避難する中で命を奪われた人たちの思いを踏みにじっている」
と述べ、再稼働を批判した。
さらに落合氏は、米国大統領選で共和党候補のドナルド・トランプ氏の暴言や差別意識を日本のメディアが笑っていることに触れ、
「おかしい人なら、日本にもいるじゃないか。どうしてそのことを言わない。
首相とご飯を食べてそんなにうれしいのか。
どんなに小さくても、誇りをなくしたらジャーナリズムとは言えない」
とテレビ・新聞報道を批判した。
続いて、「福島応援プロジェクト茨城」事務局長小張佐恵子氏のメッセージの一部が読み上げられた(メッセージ全文は記事を改めて紹介します)。
「国策で進めてきた核発電所が起こした事故によって、数十万人が故郷を奪われ、命を脅かされることになりました。しかし五年たった今、誰一人その責任をとっていません。
電力会社も政府もみずからの責任を覆い隠すために、事故の原因や実態を隠し、汚染を過小評価して発表してきました。
原発は一部の人々に巨額の利益をもたらします。欲に目の眩んだ人々が引き起こす戦争という暴力のために考え出された悪魔のシステムが「原爆の子=原発」です。
もともと原爆の原料を創り出すために造られたものが原子炉です。
とてつもなく非人道的な核兵器の脅威を隠すために「原子力の平和利用」というまやかしの呪文で、人間の恐怖と警戒心を眠らせてきたのです。
日本人は今こそ目覚める時です。
2016年3月、大津地方裁判所は高浜原発3号機と4号機について運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。
判決文は「人格権が最高の価値を持つ」ことを基礎としている格調高いものであり、私たち国民の側に立った判決内容であることに深い感謝の念を覚えます。
「福島の原発事故を踏まえた事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点があるのに、関西電力は十分に説明していない」
「予知も不可能な1260ガルを超える地震に耐えられるシステムは存在しない」
「人格権が侵害される恐れが高いことについて立証責任は債権者(被告)が負うもの」
としている点が画期的です。」
次に京大原子炉実験所で長年にわたり、反原発の研究活動を続けてこられた小出裕章氏の以下のメッセージが読み上げられた。
「本日の集会にご参加くださった皆さん、ありがとうございます。
私は人生の大半を原子力の場で生きてきました。
当初は原子力平和利用に夢を抱き、原子力発電を推進したいと思いました。
しかし、ごく初期に原子力だけは許してはならないと思うようになりました。
なぜ、私がそうなったかといえば、もちろん原子力が抱える破滅的な危険性がありましたし、それはすでに福島第一原子力発電所事故で事実として示されました。
しかし、私が何故、原子力に抵抗しようと思ったかといえば、それは原子力が抱える技術的な問題のためではありません。
それは原子力が徹頭徹尾差別的であるが故で、「オールジャパン、平和と共生」が掲げている原発、憲法、TPP、基地、格差の各問題に通底していることです。
この場に参加してくださっている皆さんにたいしてメッセージをお送りする立場に私があるとは思いません。
でも、次の国政選挙はとても大切だと私は思います。
昨年7月18日に、私は「アベ政治を許さない」のポスターを掲げて、今私が住んでいる街・松本の駅前に立ちました。
11月3日以降は毎月3日に立っています。
次の選挙では何としても安倍自民党を退陣の方向に行かせたいと願います。
そのためには、ただ一点それだけのために連帯する必要があると思います。
この集会にご参加くださっている皆さんがそれぞれの個性を生かして活動してくださることを願います。」
続いて、
主権者がつくる平和[憲法]
憲法問題については、NPJ代表の梓澤和幸弁護士と伊藤塾塾長の伊藤真弁護士が講話した。
梓澤氏は、防衛相を務めた石破茂地方創生担当相がBS番組に出演した際の話を紹介。
石破氏は、キャスターに自衛隊と軍隊の違いを問われ、
「自衛隊員は自衛隊法で7年しか処罰されないが、軍は言うことを聞かない人を死刑か無期、または懲役300年にできる」
と得意顔で答えたという。
「あなたの孫、あなた自身が米国の兵隊となって人を殺し、殺される。
これでいいのかという人を増やすため、こういう情報を家に持ち帰り、関係ないと思っている家族や近所の人に伝えることが大切」
と訴えた。
伊藤氏は、「安倍政治を許さない」のバッジを付けて登壇。
「まだ自由に物が言える社会だ。徹底的に使わないと」
と促し、憲法前文を紹介した。
「『自由のもたらす恵沢を確保し』とは人権の保障、
『政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意』とは戦争放棄を指す。
それぞれ共生と平和に当たり、この2つの目的を達するために国民主権が存する」
と解説した。
「これは13条の幸福追求権でさらに具体化されている。
その政治への表れが民主主義。
国は与えられるものではなく、私たちがつくり上げるもの。
法の論理・法による支配に基づくもので、誰か一人に支配される国を目指しては来なかった。
安倍による支配はとんでもない。
私たち一人ひとりが主権者として国をつくらなければ」
と訴えて講話を閉じた。以下は第3回に続きます。